我々の日常生活に欠かすことのできないコーヒー。
私もコーヒー党で一日に3杯以上はコーヒーを飲んでいます。

さて、本書の著者は、がんに関する遺伝子学、微生物学を専門とする大学講師。しかし、その傍らで、1996年よりコーヒーに関する研究などをまとめた「百珈苑」を主宰されるコーヒー好きです。

コーヒーに関する本と言えば、入れ方本、焙煎本、コーヒー豆の種類本、コーヒーの抽出器本なと、誌面掲載の写真割合が高く、しっかり読む本は少ない感じがしますが、本書はコーヒーの科学について徹底的にこだわって書かれた一冊。研究者がまとめた本らしく、「おいしさの感じ方」までもが数値を用いて分析的にまとめらえています。

正直、コーヒー好きでも文系出身者には読みこなすのが難しい一冊ですが、それでも、コーヒーを読みながら、ゆっくりでも咀嚼して読みたいコーヒー解説本です。

章構成
1.コーヒーってなんだろう?
2.コーヒーノキとコーヒー豆
3.コーヒーの歴史
4.コーヒーの「おいしさ」
5.おいしさを生み出すコーヒーの成分
6.焙煎の科学
7.コーヒーの抽出
8.コーヒーと健康

「おいしいコーヒー」と「よいコーヒー」

コーヒーのおいしさにはいろんな要素が絡み合っていますが、最終的にそれを「おいしい」と感じるかどうかは人それぞれ。深煎りが好きな人なら浅煎りは物足りないし、その逆もまた然りです。
だからこそ、コーヒーのプロが混同してはいけないのが「おいしいコーヒー」と「よいコーヒー」。何が違うの?と思った型のために、具体的に説明すると、以下のようになります。

  1. コーヒーの風味に対する「おいしい、まずい」という主観的な嗜好と、品質に対する「よい、悪い」という客観的な評価を混同してはいけない。
  2. コーヒーのプロが優先すべきは「よい、悪い」という客観的な評価
  3. 「よいコーヒー」は「欠点豆を除いた良質な生豆を適正に焙煎し、新鮮なうちにおいしく抽出されたコーヒー」と定義できるが、「おいしいコーヒー」は人それぞれで定義できない。
  4. 「よいコーヒー」であっても、実際に飲む人の嗜好によっては必ずしも「おいしいコーヒー」となるとは限らないが、「悪いコーヒー」は必ず「まずいコーヒー」になる。

私は今まで、「おいしいコーヒー」=「よいコーヒー」と考えていました。しかし、コーヒーは本当に人によってどんな味のコーヒーが好きか異なります。自分がおいしくても、相手がおいしいと感じているかはわかりません。「おいしいコーヒー」と「よいコーヒー」を分けて考える必要があるとは、私にとって発見でした。

説明が、科学者らしいですね。

科学的なコーヒー本よりも、もっとリラックスして読めるけど、おいしいコーヒーを飲むための知識がまとめられている本が読みたい方には以下の本がオススメです。