勉強する=お金が儲かる、というものではない

時間をかけて理解した「理論」も、実際に株式投資を行う際には「ヤマ勘」とそう変わらないものになるというのが、長年株式投資していての実感だ、と語るのは著者の天海さん。弱小投資家で失敗続きの私も、「勉強してもお金が儲かるとは限らない」と実感しています。

ただ、天海さんは、そう遠くない時期に日経平均株価は3万円に達すると考えています。その上昇に乗じるためには、「枠組み」「投資家の動き」を意識し、大きな資金の考え方と同じ指針を持つことから始めることが大切だと主張します。

  • 枠組み:今の株式市場の枠組みを知る  今そうなっていることに素直になる
  • 投資家の動き:投資家が株価を決定している  株価を動かす主体をイメージする

本書では、以下の章構成で、上記2点を明らかにした上で、著者が考える株価上昇時に「機動的売買対象になる具体的な銘柄」を紹介しています。

1.株式市場のカタチを知る
2.有象無象の投資家の動き
3.個人投資家の絶対的売買イメージ
4.機動的売買対象になる具体的な銘柄
5.クロージングこそ株式投資だ

目の前で起きている「数十年ぶり」の変化に目を向けよ

アベノミクスで強く上昇した日経平均。現在、2万円の壁を前に苦戦しています。日経平均は不動産バブル崩壊以降、日経平均は大凡1万円~2万円を推移。何度も2万円水準で跳ね返されてきました。
もし、現在の日経平均が2万円近辺(上下3000円程度)の水準をキープする動きであれば、ここからかつてのように1万円台、1万円割れの水準に短期でなるようなことはないのではないかと、天海さんは考えます。

もし、2万円の壁を突破し、3万円に向けて上昇していけるのであれば、どんな株に妙味があるかを知らなければなりません。そこで理解しておきべきは「過去の歴史」です。

戦後のバブルで何が起こったか

戦後、いくつかの株価上昇期がありましたが、実はその約半年前の段階で多くの主力株の上昇はピークアウトしていました。

しかし、不動産バブルの場合は、バブルの最終局面が迫るにつれ、一つ一つは時価総額が小さいものの総額ではそれなりの構成比があり、日経平均に採用されている繊維株や化学株が盛んに買い上げられ、日経平均もそれにつられる格好で上昇していったのです。

今日の支配者は誰だ

今日の支配者はユニクロ、ファナック、ソフトバンクの3社です。3社の株価が上がるか下がるかで日経平均の上昇・下落もほぼ決定づけられています。
「バラ色の未来」「高度成長」が買われるわけではありません。圧倒的多数の投資家たちは「未来の飛躍(の可能性)」ではなく、「目の前で株価が動いているという現実」を重視しています。

故、目の前に明らかに発生している流れに注目し、それに乗っかる方がはるかに確実ですし、即座に成果も得られます。

マーケットの主導権を握るのは誰か?

マーケットの主導権を握るのは6割を占める外国人投資家です。そしてもう一つ、忘れてはいけないのが、「クジラ」GPIFをはじめとする公的・準公的資金です。

この2つ、買い方が全く異なります。
短期売買の外国人投資家:上値を買い、下値を売る激しいことをする
公的・準公的資金   :下値を着実に拾いに来る

最大の公的資金GPIFの運用額は約140兆円。それ以外に、同じく公的年金である共済年金(2015年10月より厚生年金と運用一元化)があります。

直近では日経平均は2万円の壁を来られず、株価が下落しています。しかし、株価が下がればおのづとGPIFのポートフォリオ上で日本株の分配比率は低下します。すると、皮肉なことに、下落で買い余地が拡大するのです。GPIFはリバランスを行うため、安くなれば必ず買いを入れてくると見られるのです。

日本株保有比率の目標値からのかい離許容幅は、中央値である25%から±9%。この中央値から離れると、GPIFから買いが入るということが考えられます。

クジラは公的年金以外にもいる

公的年金以外にもクジラがいます。それが、「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」です。
個人投資家の場合、NISAの口座を開設したものの、MRFやMMFに入れたまま、株を買うには至っていないというパターンがかなり多いのが現状です。こうした投資資金は足元「10兆円規模」あるとされています。
これらも、今後の日経平均上昇時の買い余地となります。

上記理論を前提に、第4章では、著者が考える「機動的売買対象になる具体的な銘柄」が紹介されています。
現在、世界経済に足を引っ張られ、株価低迷中の日経平均が2万円を勢いよく超えていくのがいつになるかは私にはわかりませんが、本当に3万円に向けての上昇が始まるときに、事前に知っておくとよい考えがまとめられています。長期的な視点で構えるなら、知っていておきたい銘柄選びの考え方と具体的な銘柄が本書にはまとめられているので、興味のある方は、本書にてご確認下さい。

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