昭和の銘経営者らの人生をコンパクトに紹介

日本経済新聞の朝刊文化面に掲載している「私の履歴書」。登場人物は700人以上、半世紀にわたって連載されている名物企画です。

本書は、昭和の時代に活躍した人物を選び、彼らが波乱万丈の人生をどう生きたのかを紹介する一冊。誕生から家族、学校、就職、結婚、成功・失敗、老後まで、筆者が感銘を受けた話題を取り上げ、各著名人、1~2ページ程度でその「生き方」をまとめています。

取り上げられる人物は、
本田宗一郎、稲尾和久、田中絹代、棟方志功、田中角栄など、
偉大な人物が並びます。

偉人の履歴書は本書で読んで頂くとして、本書の最後には「自分史の書き方のコツ」なる章があります。思い出したことを筆にして、永久のものにするにはコツがまとめられています。

文章を書く際には当たり前のことですが、まず最初に考えなければならないのは「何を書くか」。といっても、自分のことをまとめるにしても何を書けばいいかは大きな課題です。

プロのアドバイスは、自分の人生を振り返る場合は、出生から現在までを大きく三期に分けて考えるとよいのだとか。サラリーマンなら、就職までの時期、仕事を覚え、結婚し、部下を抱え、出世あり、左遷ありの定年までの時代、そして、リタイア後の第二の人生です。第二幕が長すぎる場合は、ここを三幕にして、全体として五幕にします。こうすることで、人生の山谷がわかりやすくまとまります。

また、もう一つ大事なことは、読者がわかる表現をすること。
専門用語を避けることは当たり前として、現代人は、SNSやメールなど、自分のことを相手が知っていることを前提に文章を書きがちです。知らない人も読むことを前提に書く文章力が求められます。また世代格差にも注意が必要です。

最後に、魅力的にまとめるにはリアル感を出すことが大事。ただ文章化するのではなく、リアルな感覚がわかるような表現、例えば、音や光、においなどの再現、その時の人々の会話などの描写は、読者の目をひきつけ、体験を共有してもらうのに効果的です。

なお、本書とは関係がありませんが、過去に紹介した本「朝13分で、毎日1万円儲ける株」(藤本 誠之著)によると、「私の履歴書」で取り上げられている経営者の銘柄は、少なくとも連載期間中の1ヶ月間は、その会社の悪いニュースが出にくい。ここ数年をみると、上場企業の関係者の連載期間中は堅調なことが多いのだとか。
次回登場する大物の名前は、連載最終日の末日に発表されるので要チェックです。